インタビュー

<代表弁護士清水知彦インタビュー記事>

Interview

弁護士歴30年超のキャリア。紛争の“真の原因”を探り、当事者が納得する解決に導く。個人再生委員や破産管財人の経験豊富。

歴史に名を刻む大きな事件の対応や、さまざまな企業の社外役員なども経験。更には、日本のみならずアメリカミシガン州の弁護士資格も有しているという華々しい経歴の持ち主です。また企業に関する案件だけでなく、裁判所から任命される個人再生委員、破産管財人として,そして個人の相続や交通事故案件でも活躍しています。

これだけ聞くと、非常に威厳のある弁護士像を想像してしまいますが、実際の清水弁護士は驚くほどフレンドリー。終始絶えない笑顔とユーモアを交えたトークが印象的です。

今回は清水弁護士の、30年超のキャリア、弁護士業にかける想いをご紹介します。

01弁護士としてのキャリア

世間を騒がす大事件から個人の悩みまで。弁護士としての30年間の歩み

現在に至るまでのキャリアを教えてください。

30年以上にも及ぶ弁護士経験の中で、実に多種多様な事件に取り組んでまいりました。

法人の事件でいうと、不祥事を起こしてしまった企業や大学の内部調査、マスコミ対応など。

その中でも特に印象に残っているものは破綻した山一證券の社内調査報告書作成に携わったことですね。

企業内で起こったトラブルを客観的に観て調査し、事実を追求する…。

タイトルには「社内調査」とありますが,今でいう、第三者委員会の走りのようなものです。

メディアでも大きく取り上げられましたし、非常に思い入れのある事件です。尊敬する先輩方とご一緒して本当に色々教えて頂くことができ,貴重な経験となりました。

他にも,さまざまな企業の社外取締役や社外監査役を務めてきました。経験を積むうちに経営者の発想や悩みを知るようになり,併せて企業の内情を把握することで、適切なアドバイスや,コーポレートガバナンス実現のために実効性のある提案・助言ができるようになったのではないかと思っております。

対個人の事件だと、どのような案件に対応されているのでしょうか?

相続や交通事故など幅広く扱っていますが、多くご依頼いただくのは借金に関するトラブルです。

任意整理や個人再生、自己破産…債務整理の方法はさまざま。

その中でも特に私が注力しているのは、個人再生です。個人再生は、債務整理の中でも債務者のメリットが大きい方法です。

私は、裁判所から選任される個人再生委員として、これまで約50件ほど個人再生事件を担当しました。

債務者が抱えている事情は百人百様。

個人再生委員として培った知見を生かし,個人再生の申立代理人の立場においても,依頼者の苦労や気持ちを汲んで、適切に手続きが行われるようにサポートできることが強みになっていると自負しています。

個人再生委員に選任されるということは、裁判所からの信頼も厚いという証拠ですよね。

自分で言うのは恥ずかしいですが…(笑)。

経験と知識が買われ、裁判所から頼りにしてもらえるのはとてもありがたいことですね。

あとは,法人・個人を問わず、破産事件も数多く対応してきました。

破産手続の申立代理人としてはもちろん,個人再生と同様に,裁判所から選任され,破産管財人としてこれまで50件程の破産事件に携わりました。

スポーツに例えるなら、プレーヤー側(=債務者側)、審判側(=個人再生委員や破産管財人)、どちらの経験も十分に積んでいるということです。

このノウハウを、少しでも皆さんに還元できたら嬉しいですね。

02弁護士としての強み、得意分野

真因を探るためには手を抜かない。時には自ら現場にも

先生の強みを教えてください。

私、雑な仕事ができないんですよ。

全ての事件において、手を抜かない。

これは私の強みですね。

一度手を抜いたら、それが癖になってしまいますから。

そんな弁護では、依頼者のためにもなりません。

具体的にはどのようなことでしょうか。

たとえば、依頼者から相談を受け時に、表面的な話だけを聞いて「それは酷いですね」という直感的な判断はしないようにしています。

じゃあその出来事の前に何が起こったのか、その原因は何だったのか…。この問いと答えを何回も繰り返し,紛争の真の原因=“真因”を探り当てようとします。そこから解決の糸口が見つかることも多いんですよ。

真因を探る。簡単なことではないですよね。

とにかく依頼者と話して、コミュニケーションをしっかり取ることが大切です。

たとえば相続問題だと、親が亡くなって初めてきょうだいが喧嘩をするわけではありません。

実は何十年も前から確執があったというケースが多いんですよ。

きょうだいで揉めているという今の状況だけを見て相手方と交渉をしても、紛争は解決しません。

相手方はなぜ怒っているのか、過去に何があったのか。

依頼者と一緒に時をさかのぼることで真因を見つけ、依頼者も相手方も納得のいく解決を図るのが理想ですね。私が間に入ったことで、これ以上お互いが恨みあうことなく、今後は少しずつ話せるような関係性を築いてゆくきっかけになれたら嬉しいですね。

また、真因にたどり着くためには綿密な事実の調査も重要です。

そのために私は話を聞くだけでなく、必要があれば事件の現場に直接足を運ぶようにしています。

まるで刑事のようです。

よく刑事ドラマで「現場百回」ってありますよね。

これは本質を突いた言葉だと思います。

現場を見れば、言葉では言い表せない、肌で感じるものがあるんですよ。

なので、交通事故の現場や不祥事が起きた会社の工場など、時間の許す限り現場に足を運ぶようにしていますね。

例えば,起こった事件の顛末だけ見たら、「Aが悪い。Bは悪くない。」と大半の人が即断するような,一見シンプルな事例があります。

でも、それって本当に正しいんだろうか…。

先入観を持たず、事実の調査をきちんとした上で真因を探るようにしています。

03解決事例

抜かりない事実調査で真実を追求し、形勢逆転したケース

印象に残っている解決事例を教えてください

事実の調査をきちんと行ったからこそ、裁判で勝つことができた事例をご紹介します。

マンションの古くなった上下水道管を交換する工事での、元請業者と下請業者間のトラブルで、私は元請業者の代理をしました。相手の下請業者は工期を全く守れず、挙げ句の果てに現場を放棄してしまいました。この下請業者は,現場の下見もせずに契約したのですが,「元請業者の説明を聞いて自分がイメージしたよりも時間がかかる作業だった(その分,人手も必要で儲からない)。」と主張したのです。

証人尋問の当日,下請業者の弁護士は,「元請が使う電動ノコギリは高性能だからすぐに水道管を切れる。しかし,普通の下請業者はそんな高性能な電動ノコギリは持っていない。水道管の切断に時間がかかったのは当たり前だ。」という論陣を張りました。

複雑な事案なので簡略化しますが,「鉄でできている水道管を切断する工具は電動ノコギリだけだ」という下請側の主張の前提が誤りなのです。その現場で切断に時間がかかったのは,鋳鉄管。「鋳鉄」は「硬いけどもろい」というガラスみたいな性質を持ちます。とても固いので,切断にノコギリを使えば時間ばかりかかってしまう。鋳鉄管は,チェーンで締め付けて割って切断するのです。

下請側の弁護士は,「チェーンで締め付けるような特殊な工具は高くて買えない」という場当たり的なことも言いました。しかし,その工具は8万円もあれば買えるのです。請負代金は8000万円程度だったので,8万円くらいの工具はちゃんと準備して下さい,ということです。

一般の人は、なかなか知り得ない事実ですよね。

水道管には,軟鉄でできたものと,鋳鉄でできたものがあるとか,軟鉄を切断する工具と鋳鉄を切断する工具は全く違うなんてことは,専門業者からヒアリングしないと分からないですよね(笑)

私も依頼者と深く話をしていく中で、初めて知った事実でした。

裁判官もこんな事まで普通は知らないでしょう。証人尋問で水道管の素材と,それに応じた工具を選択する必要があることを明らかにした結果,裁判官の頭の中のモヤモヤがスッキリ晴れたのが手に取るように分かりました。そしてこちらの勝訴となりました。

まさに、手を抜かない事実調査の賜物ですね。

事実の調査をする上で、やはり依頼者とのコミュニケーションは欠かせません。

何でも言い合えるような関係を築いているからこそ、何気ない会話の中から解決の糸口を見つけられることもあるんです。

糸口が見つかれば、そこから奥深くまで事実を追求できる…。

そうすると、事件の背景や原因も浮き彫りになります。

表面的な会話しかしてなかったら、ここまで辿り着くのは難しいでしょう。

裁判官の心証がガラリと変わるというのは、そう多くはないんです。

でも一歩深く事実を探れば、一発逆転のチャンスもあり得るということです。

これがあるから、弁護士って面白いんですよね。

04メッセージ

先生と呼ばないで。ベテランになっても忘れない当事者意識

清水さんにとって、法律とは何でしょう?

たとえばメインディッシュのステーキ肉が,硬くて筋張っていたとします。ナイフとフォークを使って,どうにかしてカットできればOK。でも,どうしても筋が切れなかったら,包丁のお世話にならざるを得ない。

ナイフやフォークでは切ることができない(=話し合いや交渉で解決できない)時の包丁の役割が、法律なんだと私は考えています。

とてもわかりやすい例えです。

要するに法律は、紛争解決の最終手段なんです。

でも、闇雲に法律を使ったからといって必ず納得のいく結果になるとは限りません。

最終的にスッキリと“解決”するには、依頼者自身の気持ちの「納得度」が重要です。

先ほどの相続の話でも言いましたが,依頼者には、いつまでも相手を恨むのではなく、気持ちを整理して前向きに生きてほしいんですよね。

そのために、私も常に当事者意識を持って依頼者と一緒に考えます。「自分がもしこの方だったら、どう思うか」を最初に考えるのです。

そのうえで,一歩離れて俯瞰で事案を見る。「岡目八目」というやつです。弁護士である以上,この思考を忘れてはいけません。

最後にメッセージをお願いします。

私は弁護士歴30年を超え、いわばベテランといわれる立場かもしれません。

だからといって、とっつきにくいとか思わないでくださいね。

そもそも私、“先生”と呼ばれること自体、好きじゃないですし(笑)

ぜひ気軽に、「清水さん」と呼んでください。

法律相談って、緊張しますよね。

少しでもリラックスしてお話していただくために、美味しいカプチーノもご用意しております。

人生の大きな一歩を、私と一緒に踏み出しましょう。