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従業員とのトラブル

 従業員から未払い残業代の支払いを求められたらどうしますか。まず,その残業代は支払うべきなのか,支払う必 要がないのか。これを見極める必要があります。「残業代込みで支払っているから大丈夫!」と思っていても,払い方を間違えるとかえって沢山の残業代を支払う羽目になりかねません。
 どう考えても問題のある社員に辞めてもらいたいときはどうしますか。問題社員であったとしても,辞めてもらうためには段取りが必要です。余程のことがないと,すぐに辞めてもらうのは難しいでしょう。大切なのは,まず事実と裏付けを確認することです。

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残業代の支払い

 従業員から残業代の支払いを求められたら,できるだけ早くきちんと対応する必要があります。対応を怠ると,遅延損害金や付加金の支払いを求められるという金銭面のリスクがあることに加え,労働基準監督署の是正勧告を受ける可能性もあるからです。
 他方で,①従業員の主張する残業代計算には誤りがあるかもしれません。②固定残業手当でカバーされているかもしれません。③経営者と一体的な地位にある従業員には残業代を支払う必要はありません。④その従業員が営業職や外回り社員である場合には,残業時間の計算方法が他の社員とは違ってきます。
 その他チェックすべき事柄が沢山ありますので,弁護士に相談することが得策です。

ハラスメントイメージ

セクハラ・パワハラ
対策

 事業主は,従業員に対し,ハラスメントの無い労働環境を提供する法的義務を負います。そのため,セクハラやパワハラの加害者本人だけでなく,それを防ぐことができなかった事業主自身も損害賠償義務を負うばかりか,最悪の場合には厚生労働大臣により企業名を公表されます。
 従業員の教育,相談体制の整備,ハラスメント発生時の適切な対応などは,小さな企業であっても守らなければならない法的義務です。対策ができていない場合や,不幸にしてハラスメント事案が発生してしまった場合にはご相談下さい。

絡んだ糸

問題社員

 社員に「問題」がある-その「問題」の中身は色々でしょう。能力がない,やる気がない,職場の仲間との協調性がない,欠勤を繰り返す,上司の指示に従わない,非違行為を繰り返す,さらにはモンスター社員などなど。どの場合でも,すぐにクビにすることは難しいのが実際です。
 まずは①具体的な注意や指導をしてそれを記録に残す,②処分は軽いものから重いものに順を追って行う,③退職勧奨をする,④労働審判や訴訟は(回避できればベターだが)最初から覚悟しておく。相手に問題があるからこそ,雇用する側は専門家から助言をもらって慎重に対応することが必要です。