個人再生の申立て③

個人再生手続を申立てるにあたり,弁護士に依頼するのと司法書士に依頼するのとでは何が違うのでしょうか。コラム①では「費用」,コラム②では「任せられる範囲」の面からご説明しました。今回のコラム③では「時間(スピード)」の違いについてお話しします。

個人再生手続を申立てたら,最初に各債権者への返済計画「再生計画」を作成します。そしてその再生計画に従い,(いきなり各債権者に返済するのではなく)裁判所に選任された個人再生委員の口座に,数か月間,毎月,返済額と同額を振り込みます。これはいわゆる予行練習であり,テストでもあります。裁判所がこの様子をチェックし,「この人は再生計画通りに,これから債権者に毎月返済していくことができそうだ」と判断したら,この「再生計画」を認可します。ここでやっとスタートです。

その後は,原則3年間,最長で5年間,各債権者に対して,再生計画通りに実際に返済していきます。(ちなみに,テスト期間中に振り込んだお金は,個人再生委員の報酬を差し引いた上で,残りは返されます。)

申し立てたら,なるべく早くスタートラインに立ち,なるべく早く返済を終わらせたいものです。それは,裁判所がいつ再生計画を認可してくれるかにかかっているのですが,ここに,弁護士に依頼する場合と司法書士に依頼する場合の違いが生じます。

一例として東京地方裁判所を挙げます。

弁護士の代理人が付いている場合は,個人再生委員への毎月の振込み(テスト期間)総額が15万円を超えた時点で,弁護士の代理人が付かない場合(司法書士または本人)は25万円を超えた時点で,裁判所は認可・不認可の判断をします。

例えば毎月の弁済額が2万5000円だとすると,弁護士に依頼する方が4か月早くスタートラインに立つことができる計算になります。

横浜・さいたま・千葉地方裁判所※では,手続きの流れが東京とは多少異なりますし,さらに言えば,弁護士・司法書士によっても報酬金の支払いのシステムやタイミングは違ってきます。ですから一概に「弁護士に依頼する方が早い」と断言はできませんが,いずれに依頼される場合でも,このスケジュール感について事前にしっかりと説明を受けて判断して頂きたいと思います。

※当事務所は,東京だけでなく,横浜・さいたま・千葉での個人再生手続の申立ても承っております。